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無機塗料
無機塗料は、鉱物やレンガ、ガラスなどの無機物を配合して作られた塗料です。
一般的にはセラミックやケイ素などの無機物を主成分とした塗料のことをいいます。
一般的な塗料は有機塗料と呼ばれ、有機物を主成分とした樹脂を使用しています。
アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの樹脂がこれにあたり、塗膜の基本性能は樹脂によって大きく左右されます。
実は色あせやチョーキングなどの塗膜の劣化事象は、この有機物が原因となり発生します。
無機物は紫外線で劣化しないため、無機物自体は半永久的な耐久性を持っています。
しかし実際にはそれだと固すぎてしまい、塗料として使用することができないので、無機物の耐久性を活かしつつ、有機物を混ぜて作った塗料が無機塗料です。
そのため、『無機ハイブリット塗料』とも呼ばれています。
無機塗料のメリット
耐候性が高い
無機物を主成分としているため、雨や紫外線の影響を受けにくいため劣化しにくく、外壁表面を長期間にわたって保護します。
フッ素を超えるほどの耐候性があるといわれています。
汚れを防ぎカビの発生を抑える
無機物は親水性が非常に高く、表面に汚れが付着しても汚れを浮かせ、雨水で洗い流す特徴があります。
また静電気が起きにくいので、ホコリなどのゴミを寄せ付けない塗膜になります。
カビやこけの栄養分である有機物の含有量が少ないため、カビやこけの発生を抑えます。
不燃性
そもそも無機物とは好物やレンガ、ガラスが主成分なので燃えません。
しかし、無機塗料は100％無機物で構成されているものではないので、全く燃えないというわけではありませんが、有機塗料と比べて火事の際などにも燃えにくいというメリットがあります。
無機塗料のデメリット
ひび割れしやすい
無機塗料の塗膜は固くなるので、外壁表面がひび割れした場合、塗膜も一緒に割れてしまうことがあります。
つまりひび割れしやすい外壁には不向きな塗料と言えます。
近年では弾性が高い無機塗料もあるので、そのような塗料を使うという手もあります。
価格が高い
塗料に配合されている無機物の価格が高いため、一般的な塗料と比較するとどうしても価格は高くなります。
耐用年数と効果を比較検討する必要があります。
再塗装が出来ない場合がある
無機塗料には汚れが付着しにくいという特徴があります。
そのため、再塗装する場合には、新しい塗料と密着しにくく早期に剥がれてしまう場合があります。
また、一定の厚みで塗装するという技術が不可欠で、職人の技術力不足で対応できない場合もあります。
結論
無機塗料には種類がたくさんあり、それぞれ機能や性能は様々です。
また、高価なのでまだ広く普及されていません。
しかし、無機塗料は非常に寿命が長く、現存する塗料の中では最も耐候性の高い塗料です。
無機塗料の特製や性質をしっかりと理解した上で納得の行く塗料選びをすることが大切です。
